遠くの街

りゅうきゅう

2015.08.06

「りゅうきゅう」またの名を「ハスイモ」という野菜をご存知ですか?
高知の特産品である「りゅうきゅう/ハスイモ」は里芋の一種ですが、芋(根)の部分ではなく茎を食べる、ちょっと変わった野菜です。

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これは60cmくらい。1束100円でした。

大きく成長したものは大人の背よりも高く伸びるそうで、夏の日曜市では長〜いりゅうきゅうを手にいれることもできます。

切っても切っても穴だらけ

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りゅうきゅうを切ると、断面にはたくさんの穴が開いています。切っても切っても、ずーっと穴だらけ。この様子がレンコンのようなので、「ハスイモ」の名がついたそうです。

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食べるときには、表面の緑色の皮を剥きます。はじめの写真のように、端からしゅるしゅるっと簡単に剥けて楽しいです。少しアクがあるので、塩をするか、さっと下茹でしてから調理します。
見た目も切り心地もまるでスポンジのようで、料理をするときには、このスポンジ状の構造が味を含んでいい役目をしてくれるのです。

りゅうきゅう三変化

りゅうきゅう自体はクセのない淡白な味なので、様々な料理に使うことができます。酢の物や味噌汁の実にされることが多いそうです。今回も生・煮る・炒めるの3通りで調理してみました。

生/りゅうきゅうと茄子の塩もみ

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薄くスライスしたりゅうきゅうと茄子を塩もみして、青じそと鰹節で和えました。香りづけに千切り生姜と、柚子ポン酢を少し。爽やかな夏の小鉢です。

煮/りゅうきゅうと油揚げの含め煮

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りゅうきゅうの細い部分を3〜4cmに切り、油揚げとしめじと一緒に含め煮に。しゃくしゃくした食感に、出汁をじゅわっと吸ったりゅうきゅうが美味しいです。

炒/豚とりゅうきゅうの生姜焼き

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りゅうきゅうの太い部分をサッと茹でて水気を切り、豚の生姜焼きに加えました。甘辛い味が絡んでGOOD!

作り手の見えるカット野菜と
高知の豊かな食文化

日曜市では、こんな風に皮を剥いてカットされたりゅうきゅうが売られていることもあります。大きなりゅうきゅうを担いで帰れなくても、サッと使えて便利ですね。

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「カット野菜」というと、スーパーに寒々しく並んでいる、手抜きのための無味乾燥な野菜を思い浮かべがちです。「最近の子どもは魚が切り身で泳いでると…」なんて話もあります。
それに比べて、こんな風にカット前後の野菜が並べて売られている高知の市は、素晴らしい食育の教室だと思います。
普段口にしている野菜がどんな姿をしているのか、どんな人が作ってくれているのか、おまけにどうやって調理するのがおすすめかまで、おばちゃんが親切に教えてくれます。

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春の日曜市。山菜や筍もアク抜き済みで売られています。

忙しいお母さんにとっても、アク抜きなどの面倒な下処理を済ませて売ってくれる市はありがたい存在だと思います。季節の美味しい安心な野菜を食べてもらいたいという思いは、家族をもつ主婦の共通の願いですから。

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高知って、海・山・川・里の豊かな食材が手に入る、全国的に見ても食べものに恵まれた土地だと思うんです。交通や物流が発達した現代ではなおさら。
それなのに、雑草みたいなイタドリを食べてみたり、「食えねえ芋」であるりゅうきゅうの茎を食べてみたり。それが脈々と受け継がれているところが本当にユニークだし、豊かだなあと感じます。こういうのって、人の手や顔を通じていないと成し得ない、貴重な文化です。

畑から台所、市場から食卓へ。
新しいものが入ってきても、受け継いできたものも、みんな美味しく食べられる。
高知の食文化がいつまでも豊かでありますように。

参考リンク

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