造形室ノート

Web勉強会を楽しくする7つのアイデア

2016.01.22

先週末、ウェブクリエイターズ高知(WCK)主催の1月勉強会「新春LT大会2016」に参加してきました。フリーテーマのLT大会ということで、「Web勉強会を楽しくする7つのアイデア」というタイトルで、私も5分お話させていただきました。このテーマを選ぶに至った経緯は、前の記事に書いた通りです。

ざっくりとした背景として、Web系勉強会やコミュニティで活躍されているのは40歳前後の方々が中心で、それに続く世代や新しい参加者がもっと出てきて欲しいよね、という話題がありました。
お世話になっているWCKやWeb系勉強会を盛り上げるために、何か自分にもできそうなことはないだろうか。参加者として、登壇者として、実行委員として関わってきた経験から考えた7つのアイデアを発表しました。

まるごとシェア & フォローアップ

今回のLTは、昨年末にお邪魔した大都会へ向けてのアンサーでもあったので、スライドと内容をまるごとシェアしたいと思います。 ※公開許可いただいています。

発表準備をしていくうちに、5分ではとても収まりきらない思いが溢れてきたので、フォローアップも兼ねてここに解説も書き連ねていきます。
使えそうな案があれば、ぜひお近くの勉強会でお試しください!

スライド5ページ目より、解説スタート!(カッコ内はスライドページ番号)

まずは参加をトコトン楽しむ

まずは自分もいち参加者として楽しむことが、勉強会を盛り上げる第一歩です。

アイデア1:懇親会に参加する(6)

いきなり懇親会かよという話ですが、その心は、勉強会では同業の人と出会えることが何よりの魅力だと思うからです。私自身、懇親会に行くようになった頃から、ぐっとWCKに参加する楽しさがアップしました。

知識や技術は本やネットなどでも独学できますが、実務に際してのアレコレや、実際のところどうなの?といったが聞けるのは、顔を合わせての場所ならでは。勉強会中はみんな発表者の方を向いているので、なかなか参加者同士で雑談する時間がないものですが、懇親会ならたっぷり話せます。

Web系勉強会の良いところは、「オープンでフラット」なところ。懇親会でも、登壇者/参加者/関係者の垣根なくお話できるところがほとんどです。勉強会中に聞きそびれたことや、ここだけの話、お仕事の話から全然関係ない情報交換まで気軽にできます。特に高知は酒好き・宴会好きの人が多いので、ここで一気に距離が縮まることもよくあります。

またそもそも、自発的に勉強会に来ている人同士ですから、そこらの飲み会より話が盛り上がる確率は高いと思うのです。
匿名の参加者同士も良いですが、一歩踏み込んで交流すると、「この話題についてあの人の意見が聞きたい!」という人が増えて、また勉強会へ行く楽しみになるのです。

懇親会に参加するメリットについては、岡山WEBクリエイターズ副代表の堀田さんも書いていらっしゃいます。その節はお話してくださってとても嬉しかったです。

Web系セミナーに若い人が少ない問題|AICOCCO

アイデア2:学び・疑問、何でも共有(7)

先述のとおり、勉強会の時間中はなかなか雑談できませんが、Twitter などのタイムラインが賑やかになるのはWeb系ならでは。多くの会ではハッシュタグが用意されているので、発表を聞きつつ流れを追うのも楽しいです。会場によっては司会の方がTL上の質問を拾って講師に投げかけてくれたり、あるいはTL上で情報交換が行われているのもよく見かけます。
聴講と同時進行でつぶやきを投稿するのは向き不向きもあるかと思いますが、後から見返すこともできるのでありがたいものです。

また、質問タイムに手を挙げて質問するのも良いと思います。
オンライン学習サイト schoo などには司会進行をする「学生代表」という役の人がいます。話の流れを整理しつつ、受講者が疑問に思うであろう事柄をナイスなタイミングで挟んでくれる存在です。

何か疑問が沸いたとき、ふと「こんなこと聞いて大丈夫かな?」と躊躇することもあります。でもちょっと勇気を出して質問してみたら、実はみんな聞きたいことだった、代わりに聞いてくれてありがとう!ということもよくあるのではないでしょうか。
登壇側としても、質問コーナーが静まり返っているより、ちょっとしたことでも手が挙がるとホッとするのではと思います。(鋭い質問は冷や汗かもしれませんが……)

モチベーションサポーターになる

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続いては、実行委員として心がけたいことです。
勉強会を主催したり、登壇したりするのはなかなか骨の折れる仕事です。一見華やかに見えるかもしれませんが、その裏では大変な準備に追われていることもしばしば。ほとんどボランティア状態でされている方も多いのではないでしょうか。
そんな勉強会を支えてくれている人たちに、感謝と応援を伝えるためにできることを考えてみました。

アイデア3:即レスする(9)

Web系勉強会の打ち合わせや連絡などは、ネット上のコミュニケーションツールを用いて行われることが多いです。このような顔の見えない場で心がけたいのが、リアクションをなるべく早く返すことです。

特にゲストの方や新しく入ってきた人にとって、自分が何かした後に場がシーーンとなるのは非常にツラいものです。“好きの反対は無関心”と言いますが、歓迎の意を示すためにも、「反応なくてモヤモヤ」タイムができるだけ短くなるようにしたいです。

もちろん常に張り付いている訳にはいきませんが、そこは人数でカバーです。「いいね!」ボタンがひとつ灯るだけでも、その場の雰囲気は随分変わるはずです。

アイデア4:レポートを書く(10)

先日 CSS Nite in TOSA, Vol.3 の終了レポートを書いたところ、主催の鷹野さんよりお褒めの言葉をいただきました。それに気を良くして(?)、今後もWCKのレポート係に手を挙げることにしました。

終了レポートの大きなねらいは、参加できなかった人に「次は行こう!」と思ってもらうこと。加えて、登壇した人のメリットになるようなレポートが書けたらなと思っています。
勉強会やイベントは、開催前にはSNSなどで盛んに告知がされますが、それらの多くは時間が経てば流れていってしまうコンテンツです。開催後にも登壇の実績として参照できたり、WCKに関わってくれた人のアーカイブになるようなレポート作りをしていけたらと考えています。

登壇のハードルを下げる + 人材発見のアイデア

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続いては、若い人や新たな参加者の活躍の場を増やしたり、登壇への第一歩を踏み出しやすくなるようなアイデアを考えました。

アイデア5:「前座LT枠」を設ける(12)

これは自分の初登壇時の経験談ですが、自分の発表後にベテランさんのメインセッションが構えてくれているのはとても心強いものです。

落語や舞台の世界では、若手が前座や前説として主役の登場前に場をあたためることがあります。いきなり主役を張るのは荷が重すぎるけど、そんな前座のようなイメージを持てれば、思い切って挑戦できる人もいるのではないでしょうか。
例えば、メインセッションのテーマにまつわるプラスアルファのショートセッションやLT枠を設けるのはどうでしょう。勉強会の質をキープしつつ、扱う内容にもふくらみが出て、主催側も企画・依頼しやすいのではと思います。

5分でも10分でも、最初の一回を乗り越えてしまえば、登壇への心理的なハードルは断然低くなります。若い人や初めての第一歩を応援する場所が増えるといいなと思います。

アイデア6:ディスカッション要素を取り入れる(13)

昨年10月のWCKでは「制作者のためのよくわかる著作権」という勉強会が開催されました。弁護士と弁理士の先生をお迎えし、パネルディスカッション形式で行われた質疑応答タイムが非常に盛り上がりました。

ディスカッションをすると、様々な立場からの視点を知れるのに加えて、発言者が普段考えていることが垣間見れるのも面白いです。率先して前に出てしゃべるのは苦手でも、お題を振ればビシバシ鋭い意見が出てくるという人は結構いるものです。その人の得意分野を発見・ピックアップする意味でも、参加者が自由に意見を交換しあう要素を取り入れてみるのは一案だと思います。

これからやってみたいこと

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7つめのアイデアとして、これからやってみたい勉強会を発表しました。

アイデア7:WCK姉妹版の開催(15〜17)

実は以前から「女子会やろうよ」と(主に男性陣から)言われてはいたのですが、正直ピンときていませんでした。というのも、WCKと同じことを性別だけ分けてやることの良さがあんまり理解できなかったからです。(私がもともと「女子会」が苦手というのもあります。何か華やかでキラキラな感じで気後れしちゃうんです……。)

でも、WCKとは別のコンセプトの会を設けると考えたら、ちょっと面白そうだと思えてきました。勉強会も回を重ねて規模が大きくなるにつれ、クリアしなければならない基準だったり、カバーしなければならない層だったり、開催条件や制約が増えていくものです。そこでこぼれ落ちてしまう部分を拾えるような、フットワークの軽い「姉妹版」を作るなら意味が見えてきそうです。

例えば、コラボ型・出張型のWCKとして、他の団体と組んだ勉強会をしてみたり。参加者を増やすことを目指すのではなく、逆に少人数だからこそできる会を考えてみたり。初級者・入門者にターゲットを絞った回を企画したり。

本家のWCKが、これまで通り「制作者がしっかり学べる場」であるのに対し、姉妹版は「広くきっかけを作る場」として幅広い層にアプローチし、さらに学びを深めたい人はWCKへ来てもらう、という流れが出来たら素敵だなと思います。

(※後日談:ここまでが発表当日までに考えていたことなのですが、LTの後、勉強会の作り方・運営についてお話をいただきました。続けていくためにはコスト管理の意識をもつこと、いたずらに間口を広げるのも良し悪しであること、WCKの名前を使うことでコミュニティ全体を巻き込む責任が発生すること……思い至らなかったことばかりで、目がさめるようでした。
やってみたいこと、面白そうな気配がすること、いろいろ浮かんでいますが、どのように実現させるか、焦らず探っていこうと思います。/後日談)

まとめ(18〜21)

以上、7つのアイデアをご紹介してきましたが、最後にすべてに共通することとして。
勉強会は強制されてやるものではなく、自分が楽しいと思えることが大前提です。人のためになることでも、「ねばならない」や無理は続きません。
まずは自分が楽しめること。そしてもし、何かできそうなこと・やってみたいことを見つけたら、思い切って手を挙げてみましょう。隣の席になった方と一言交わすだけでもOKです。何か行動を起こしたら、きっとリアクションが返ってきます。
そうして人と関わっていくことで、勉強会の楽しさというのは増幅していきます。書籍やネットを見るだけでは得られない、人が集うことの良さはそこにあるのだと思います。

Put your hands up!

ということで、これからも皆さん、勉強会を楽しんでいきましょう。

体感! LTは面白い

今回のLT大会ではサーバーの話から筋肉の話(?)まで、バラエティ豊かな12人のお話が聞けました。

特筆すべきは、敬愛する高知のWebデザイナー・HOOP Design 中野玄さんのLTです。
美術や音楽、そしてデザインに見られる「何だか分からない面白さ」を“ノイズ成分”として展開された独自の「ノイズ論」。そのノイズの捉えられ方は、時間の経過とともに変化するということを、Webデザインでの実例を交えてお話されました。
加えて、LTのスライドや話し方には、何とも言えないノイズ成分があちこちに散りばめられていました。5分の時間経過の中で、ノイズ論の論理展開と実感が交錯していくのは最高にエキサイティングでした。

今回の中野さんのスライドも SlideShare で公開されています。

【デザイン・ノイズ論】~ Webデザインにおけるノイズ的手法を考える ~

でも、あの摩訶不思議な5分を体感した後では、スライドだけ見ても面白さの半分も伝わらないだろうなあというのがもどかしいです。
やっぱりプレゼンは、その場で聴いてなんぼのものだなと思います。

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たかが5分、されど5分。
内容のエッセンスを凝縮して、「分かりやすく伝える」ことに重きを置いたLTは、聞くのも楽しく、話すのも非常に勉強になる良いものです。技術系・IT系だけでなく、もっといろんな分野に広がればいいなと思える文化です。
あの人やこの人のLT、聴いてみたいなという人がたくさん浮かびます。お近くで機会があれば、ぜひ挑戦してみてください。

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WCKのサイトで早速レポート記事を書きました。12本のLTについてライトニング・レポートしていますので、ご覧ください。

WCK Meeting Vol.37 「新春ライトニングトーク大会2016」と、新年会 レポート

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