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勉強会「ユニバーサルデザイン基礎〈色と文字〉2021」を開催しました

2021年11月28日(日)・29日(月)に勉強会「ユニバーサルデザイン基礎〈色と文字〉2021」を開催しました。
この記事では、開催報告と今回取り組んだことについて記録します。

関連リンク:ユニバーサルデザイン基礎〈色と文字〉2021 開催のお知らせ

開催報告

写真:木材がたくさん使われた部屋。前方中央にスライドが投影されたスクリーンが設置され、参加者席にはチラシが置かれている。
会場のオーテピア集会室

たくさんの方にご参加いただきました

2021年11月28日(日)14:00〜16:00 開催の会場版では、職場の皆さんで参加くださった方、チラシを見て飛び入りで来てくださった方など、合計15名の方にご参加いただけました。事務職の方、公務員の方、企画・広報をされている方など様々な職種の方がご参加くださいました。

会場のオーテピア1階でパネル展『カラーユニバーサルデザイン』をされているタイミングに開催したおかげで、展示やチラシを見て興味を持ってくださった方も多かったようです。

2021年11月29日(月)19:00〜21:00 開催のオンライン版では、全国から88名の方(!)にお申し込みをいただきました。オンライン版ではウェブ制作者だけでなく、印刷物やグラフィックデザインに関わる方も多くご参加くださったのが印象的でした。

2019年に同タイトルで高知で開催した時には、制作側の同業の方が多い印象でした。今回は職種、人数とも当初の想像よりもずっと幅広く多くの方にご参加いただき、「もっといろんな人にユニバーサルデザインのことを知って欲しい」という目的が果たせたかなと思います。

ご参加くださった皆さま、告知・運営にご協力くださった皆さま、ありがとうございました。

参加者の声

オンライン版のアンケートでは、回答者38名のうち「大満足!」89.5%、「そこそこ満足」10.5%、「どちらともいえない」「あまり満足できなかった」「期待外れだった」とお答えの方は0%という結果になりました。不満だった方はアンケートに回答されていないにしても、ありがたい評価です。

アンケートでいただいた感想を一部ご紹介します。

基本的な事例が多く、分かりやすかったです。多くの方に知っていただきたい内容で、楽しくためになりました。

公務員さん

伝わりづらい理由と、どう改善すれば良いのかが分かって良かったです。

プロジェクトマネージャーさん

身近な実例を踏まえた誰が聞いても分かりやすいセミナーでした。 大きな発見がたくさんあり、今後の仕事に少しづつ活かしていきたいと思います!

グラフィックデザイナーさん

赤・緑を使わない、UDフォントだから使う、のような選択理由ではなく「目的に合った選択・組み合わせの工夫」をする、というお話し、とても納得しました!

UIデザイナーさん

日常にあるものを例に出されていたのが身の回りのことに感じられてとても良かったです。私も生活の中からヒントをもらえそうだなと感じましたし、楽しく学べそうだなと思いました。

デザイナーさん

勉強すればするほど、より多くの人への配慮が必要だなと思ってしまっていましたが、今回の講義をお聞きして、こうして基本的なことを学べば、もっと柔軟に制作方法を見出せるような気がしています。

アーティストさん

ユニバーサルカラーについては、学びたかったけれど、どうしても敷居が高く感じてしまっていました。でも、今回思い切って参加して良かったです。

システム管理者さん

「100%はない」という言葉から、現状から少しでも改善していくことの積み重ねが、大事だと思いました。

高知県民さん

この他にも、ハッシュタグ、Zoom チャット欄で嬉しい声をたくさんいただきました。本当に励みになります。ありがとうございます。

今回の取り組み

初学者・ノンデザイナー向けのチューニング

過去の自分のスライド資料を見直して、「ノンデザイナー大歓迎」を謳うには、まだまだ同業者・デザイナー向けの表現が多かったことに気づきました。

身の回りで見つけた事例やSNSで話題になった声、自分の失敗例を盛り込み、ユニバーサルデザインをより身近に感じてもらえるよう調整しました。

話し方の工夫

普段の登壇では持ち時間が限られていることもあり、スライドを見せながら口頭で情報を加える話し方をすることがしばしばあります。

今回はたっぷり2時間自由に話せたので、スライドに表示されていることも、画像に代替テキストを入れるように口頭で話すようにしました。オンライン版で「ながら聞き」をして下さっていた方からも分かりやすいと感想をいただけたので、一定の効果はあったようです。

これは今年5月から細々と続けている一人音声配信「mjmj の縁側ラジオ」でのトレーニングの成果もあるかもしれません。

オーテピアのバリアフリー書籍紹介

2019年6月に成立した「読書バリアフリー法」に関連して、会場のオーテピア高知図書館・声と点字の図書館で利用できる本の紹介をしました。

オーテピアは2018年の開館時から“日本一のバリアフリー図書館”をコンセプトに掲げており、館内にも点字ブロックが敷かれていたり、盲導犬用のトイレもあります。音声案内や大きなエレベーター、貸出手続きの有人/無人が選べるなど、目に見える障害だけでなく目に見えない障害への配慮や工夫があちこちに施されています。

今回ご紹介した点字の本、大活字本、LLブックの他にも、マルチメディアDAISYや布製のさわる絵本があったり、視覚障害者の生活を便利にする道具の展示もされています。

オーテピアに統合される前の県立・市立図書館時代から、高知の図書館サービスには私もずっとお世話になっています。休職中に図書館がなければ、ウェブデザインの世界に足を踏み入れていなかったかもしれません。今回のバリアフリー図書の紹介が、誰かの新しい本と出会うきっかけになれば幸いです。

UDトークによるリアルタイム字幕

会場版、オンライン版ともにアプリ「UDトーク」を使ったリアルタイム字幕を配信しました。
「障害のある人だけでなく、すべての利用者が便利になる」というユニバーサルデザインのメリットを体験していただけたのではないでしょうか。

UDトークでの字幕提供は2019年にもチャレンジしかけたものの、認識が上手くいかず断念していました。
今回は短期利用&イベント向けのコンパクトプランを契約して準備し、告知時点から「UDトークによるリアルタイム字幕を提供予定」と記載していました。

すると岡山の SAWADA STANDARD DESIGN 澤田さん、株式会社インフォアクシアの植木さんがサポートを買って出てくださいました。当初は自分でできる範囲の提供で良いか〜と気楽に考えていましたが、お二人の強力なサポートなくしては今回の勉強会を無事終えることはできなかったですし、伝わる人・届く人はずっと少なかったと思います。心から感謝いたします。

今回は、アプリがなくてもウェブブラウザで字幕を見られる「ウェブで公開」機能を利用しました。初めて利用しましたが、こういったイベント時にもスムーズに字幕を見てもらえてありがたい機能だと感じました。UDトークはどんどん便利な機能が追加されるので、今後も運営に携わるイベントでは積極的に取り入れていきたいと思います。

ご依頼お待ちしています

2年ぶりに同じテーマで勉強会をしてみて、普遍的な内容と身近な事例の組み合わせは、まだまだいろんな方に聴いてもらいたいなと感じました。オンラインツールが普及したおかげで、場所を問わずにお話できることも分かりました。再演のお声がけや目的に沿った研修等のご依頼、いつでもお待ちしています。